国会質問&議事録

2001年3月2日、予算委員会分科会において、つくば市筑南水道企業団を舞台に、企業団の一次長が、
信金中央金庫から不正に自己名義の関東銀行の口座に何と100億円もの借り入れをしたという
事件について、監督権限を持つ金融長の監督責任を追及しました。

ご覧いただくと、いかに金融庁の監督が不十分か、解っていただけるとおもいます。
議事録を掲載します。

●小泉俊明
民主党の小泉俊明でございます。
柳澤大臣、先ほどの財金から引き続きまして、御苦労さまでございます。よろしくお願い申し上げます。

先ほど財金の委員会で宮澤財務大臣にもお聞きしたのですが、
まず最初に、10年間にも及ぶ長期的な景気の低迷、そしてKSD事件、外交機密費の問題、
えひめ丸の問題、検察官と裁判官の証拠のもみ消し事件など、さまざまな問題が噴出し、
我が国の戦後の歴史の中でも今ほど立法も行政も司法も、
三権のすべてに対する国民の信頼が失われたことはないと思います。

国民の心の中には、今、どうしようもない閉塞感や不平不満、怒り、これが満ち満ちております。

こういった状況の中で、我々政治や行政に携わる者にとって一番大切なことは、
今謙虚に国民の声そして国民の思いを聞き、これにこたえることにより
信頼を取り戻す以外にないと思うのであります。

特に金融は、今後の日本経済の浮沈を決する国の要諦であり、ここに対する国民の
信頼なくして日本経済の復活はあり得ません。

まず、柳澤金融担当大臣の今の日本の政治全体に対するお考えと、
金融行政を担当していかれる御決意をお聞かせいただきたいと思います。

○柳澤国務大臣 

大変難しい大きな問題を提起されましたので、行き届いた御答弁というわけにはいかないと思いますが、
私が今御質問を聞きながら感じたところを率直に申させていただきたい、このように思います。

私は昨今の、今先生御指摘の、立法、行政、司法、三権にあらわれている問題というのは、
結局、一つの制度を余り長く維持することによって起こっている、制度疲労というような
表現でよく言われることが多いのですけれども、そうした問題ではないか、
このように考えておるわけでございます。

そして、制度が長く維持されておりましても、その制度が本来の機能を発揮して、
少々のいろいろな問題を持ちながらも、国民経済あるいは国民生活、あるいは国家の機構、
組織といったようなものについてそれなりの成果を上げておれば、その制度疲労も局所的な
対症療法というような形で対処することも可能だと思うわけでございますが、
どうやらそういう問題ではなくて、と申しますのは、この現状の制度というのが、
ここへ来まして急速にいい成果を上げられなくなった。

スキャンダルのような話以外にも、本来その制度が機能を発揮して、国民、国家あるいは
経済といったようなものにもたらすべき恩恵をもたらし得なくなっているということからして、
私は、これについては相当大きななたを振るっていかなければいけないのではないか、
このように考えているわけでございます。

そういう中に我々の所管する金融という問題もあるわけでございますが、例えば私どもの国は実はずっと
このところ間接金融に頼って、直接金融というものについてはそのウエートが非常に小さくなったままに
これを維持してきたわけでございますけれども、ここまで経済がボーダーレスになり、
それぞれの経済主体が非常に広範な活動をすることになりますと、当然リスクも大きくなるわけです。

それを金融仲介機能を担当する金融機関だけが背負い切れるかという問題が、
昨今、1997年の11月ころから顕在化した我々の問題である、こういう認識をいたしております。

当座、臨時異例の措置として、これらが負った傷に対しては国民の税金でもってこれを修復すると
いうことをやったのでございますけれども、そういうものをいつまでも続けていくわけには
当然まいらないわけでありまして、制度のかなり抜本的な改革が必要だということが、
現在いろいろなところに出ている問題が表現していることであろう、このように考えているわけです。

●小泉俊明
大臣、ありがとうございます。
それでは、通告に従いまして、お手元に紙を配らせていただきましたが、
1ページ目のA4の冊子をごらんいただけますでしょうか。

昨年、平成12年11月22日、テレビなどでも大変大きく取り上げられました
私の地元であるつくば市を中心とします、地方公営企業であります筑南水道企業団を舞台に、
企業団の一次長が、平成12年、去年の2月21日になりますが、信金中央金庫から不正に
自己名義の口座に何と100億円もの借り入れをしたという事件、
これについて、金融機関に対する監督権限を持つ柳澤金融担当大臣にお尋ねいたします。

まず、この事件は、これを見ていただくとおわかりになると思うのですが、
貸し手側が信金中央金庫、振り込みを受けた側が地銀の関東銀行という
二つの銀行が絡んだ100億円という前代未聞の不正借り入れ事件でありますが、
大臣はこの事件について、テレビや新聞等では御存じでございましょうか。

○村井副大臣
報道等を通じまして、私どももその限りでは承知をいたしております。

●小泉俊明
この図を見ていただければ大変わかりやすいのですが、これは大体御理解できますか、
事件の全容を非常に単純明快に書いたものでございますが。

この事件は、地方公営企業が借り入れをしております政府資金や公営企業金融公庫の資金、
いわゆる財投資金の金利が高いために、民間の金融機関から低利でお金を借り入れて
これを借りかえるという名目で不正に借り入れがなされていることが出発点となっております。

そこで、基本的なことになりますが、後学のためにも教えていただきたいのですが、
こういった財投資金が地方公営企業体に融資をされるような場合は通常、
大体で結構でございますが、何%くらいの金利でございましょうか。
 
○村井副大臣
私どもの所管ではございませんので、大変申しわけございません、
責任を持った御答弁はいたしかねますが、その時々におけるいわゆる財投金利に何らかの
上乗せをするとかいうような形で、そのあたりの金利が形成されているとは承知しております。

●小泉俊明
それでは、また基本的なお話でございますが、公営企業が、民間でもよろしいのですが、
今民間機関から仮に百億円借り入れた場合は、通常、金利は何%くらいだか御存じでございましょうか。

○村井副大臣 
これは、金利というのはある意味では貸し付けに対します対価でございますから、借り手により、
案件により、また貸し手によりいろいろ区々でございまして、一概に申し上げることはできないと思います。

●小泉俊明
それでは、もう一つ基本的な質問をさせていただきます。
今回の事件、これは起債の借りかえをするという名目でなされました。
それでは、このような政府資金の繰り上げ償還というのは認められておりますでしょうか。
所管が違うかと思いますが、金融の大ベテランの御先輩方ですので、ひとつよろしくお願いいたします。

○村井副大臣 
大変申しわけございません。
これこそ私にとりましてはまさに権限外のことでございますので、
やはり答弁は控えさせていただく方が適切ではないかと存じます。

●小泉俊明
政府委員はいらっしゃいませんか。

○高木政府参考人
お答え申し上げます。

実は私も所管外で、地方債の関係については余り経験がないものですから、
一般的に全く繰り上げ償還がないかどうかということは、必ずしもそうでなかったような気もしますが。

●小泉俊明 
後ほど、根拠条文等ありましたら、私のところにお持ちいただきますようお願い申し上げます。
実は、私はレクを受けまして、認めていないというのが大蔵の方の御見解でございます。。
政府資金の繰り上げ償還が認められていないということは、地方自治体や公営企業の長や職員というのは
当然、何十年も役所にいるわけですから、これはわかっておりますよね。

○村井副大臣  
先ほど高木局長からちょっとお答えをした経過もございますが、そのあたりを踏まえまして
申し上げさせていただきますと、財政投融資を運用しております側からしますと、
既往の貸し付けを繰り上げて償還をされるということは、
いろいろな意味で大変なことでございますから大変消極的になるということは当然でございます。

いろいろな事情を勘案いたしまして、現実にはある程度それに応ずるという場合もあるわけでして、
そのあたりのところはケース・バイ・ケースの話になるのではないかと承知しております。

●小泉俊明 
今のお答えをまとめると、原則は認めないけれども、例外には認める場合もあるということですね。
後ほどそれも根拠条文を私どもの方にいただけますよう、お願いします。政府委員でいいですよ。

ただ、今回の融資は平成12年2月21日に実行されたわけですが事実は2月10日に、
貸出先担当の係長と不正事件を起こした次長が大蔵省関東財務局水戸事務所に出向きお願いしたけれども、
繰り上げ償還はできない旨回答されているそうでございます。

すると先ほどのあれでは、政府資金の繰り上げ償還が原則的にはできない、例外的に一部あるとしても。
今金融で大ベテランの大先生方が知らない、できないだろうという原則論を最初は申し上げましたね。
そうすると、民間の金融機関も、政府の繰り上げ償還ができないと思っているのが普通ですね。
それでありながら、民間の金融機関が借りかえの資金を融資するということになっているのですけれども、
これは場合によっては、原則論が妥当するとすると、貸し手側に重大な注意義務違反はありませんか。

○村井副大臣 
そのあたりは、個別の金融取引でございますので私どもの判断を申し上げられる環境ではないと思います。

●小泉俊明 
二枚目の紙をごらんいただきたいと思います。
これは実は百億円、不正に融資を自己の口座に振り込ませた次長本人が説明につくった文書なんですね。
上の方に鉛筆でちいちゃく書いてある、これも本人が書いたものなんですが。

これは中ほどを見ていただくと償還交渉という下に「場合状況により、」うんたらかんたらとあるんですね。
繰り上げ償還がベテランがいても原則できないのがわかっていながら何でこんな融資が起きたのか。
これを読んでいただくとわかるのですが、借り入れを行った本人が作成した低利借りかえの説明書です。

事務局が交渉を行っているが、事務レベルの交渉では展望が開けない場合、
状況により、政治的打開策による最終決着も考えられる。という記述があります。

重要なのは、ここに私が傍線を引きましたけれども、「政治的打開策による最終決着」ということですが、
これは有力な政治家に働きかけるということを意味していると思うんですね。

それであれば、自民党の有力な政治家が動いたり働きかけると、先ほど例外でできるとおっしゃいましたが、
有力な政治家が働きかけると繰り上げ償還はできるんですか。

○村井副大臣  
そのあたりになりますと、これはもう何ともお答えのしようがございませんが、
公の資金を貸し付けるわけでございますからルールに基づいて判断がされているものだと思っております。

●小泉俊明 
実はこれは、本来大蔵はできないと言っているのですけれども、
今副大臣はできるというお話なものですから、それを前提でお話をさせていただきます。

去年の2月21日、企業団の次長は、この一ページ目を見ていただくとわかるのですけれども、
本来なら筑南水道企業団代表者だれそれという口座に振り込むはずなんですけれども、
見ていただければわかりますけれども次長であります筑南水道企業団出納員、事件を起こした次長ですね。

それで、これは100億が21日に振り込まれたのです。
そうしたらその日のうちに2億円の現金をトランクに入れて東京に運んだということまでわかっています。

これが実は今100億のうちの返済されない2億5千万のうちの2億円です。
これが使途不明金になっております。これは何かほかの話と非常によく似ているのですね。

最近中小企業安定化資金のあっせん事件でも問題になった金融あっせんの手数料にも思えるわけですね。
単なる一企業団の一次長がこれほどの100億近いお金を貸し手の信金中央金庫の理事長はどなたですか。

○村井副大臣  
報道等で私ども承知しています限りではつくば市長が企業長でございますかそのように承知しています。

●小泉俊明
それは筑南水道企業団であって貸し手の信金中央金庫の理事長はどなたかという質問でございます。

○高木政府参考人 
お答え申し上げます。
信金中金の理事長は宮本保孝さんでございます。

●小泉俊明 
前職は何ですか。

○高木政府参考人 
お答え申し上げます。
 これは、この前身のいわゆる全信連の理事長をやっておられました。
その前は農林漁業金融公庫の副総裁をやっておられたと思います。
その前は大蔵省の理財局長をやっております。

●小泉俊明
もう一つあると思うんですけれども、その前は何でしょうか。

 
その前は大蔵省の銀行局長をやっております。

●小泉俊明 
大蔵省の銀行局長ですよ、これは大変、金融のプロ中のプロの方がこの信金中央金庫の、
天下りで今ここに行かれていると思うわけでございますが、これは知らないわけはないですよね。

なおかつ副理事長も私の調べでは日本銀行の方ですね。かなり金融のプロがやっている銀行ですよ。

次に移りますけれども、この紙の中に問題点がもう一個あります。
二つあるのですが信中金が100億を振り込んだ先が関東銀行筑南水道企業団企業出納員だれそれという、
これは法律を少しやっている人はだれでもわかるんですけれども、個人名義の口座なんですよ。

公的機関と取引をしている金融機関が融資をする場合、自治体や公営企業の本体名義の口座ではなく、
職員の個人名義の口座に振り込むことはあるんでしょうか。

○村井副大臣  
これはまさに取引のいろいろな形があるわけでございますから、それはないとは言えないと思います。

●小泉俊明 
これは明らかに犯罪行為です。
銀行員で他人名義の口座に振り込む、振り込まされるというのは明らかに詐欺か業務上横領かですよ。
それで、そんなことはあるわけないと思うんですけれども、もう一度答弁をいただけますか。

○高木政府参考人 
お答え申し上げます。
いずれにしても、これは筑南水道企業団出納員という名前で振り込まれているわけでございまして、
報道等によりますと、振込書等も企業団長の公印が押されているこういった報道もなされております。

それ以上の詳細は承知していないのですが、そういうことで、これが適切かどうかということは
個々の具体的な事案、実態に即して判断すべきものだというふうに考えております。

●小泉俊明 
金融庁は、銀行法の1条と24条を見れば、銀行の業務の適切な運営とか監督権があるんですね。
逆に言えば、こんなお粗末な手にひっかかる銀行員を監督しないでいいんですか。

○村井副大臣  
個別のお話ですので、私からただ今の質問につきましてコメントするのは控えさせていただきます。
ただ、当たり前のことでございますけれども、一般論として申し上げれば、私どもとして、
金融機関がその業務に当たりまして健全かつ適切な運営を怠るというような事態がございましたら、
それは法に照らしましてきちんと処理をするということを申し上げるしかございません。

●小泉俊明 
ここでちょっと角度を変えまして、信金中央金庫についてお尋ねいたしますが、
政府委員の方で結構です、年間幾らぐらいの資金運用をされている金融機関でございましょうか。

○高木政府参考人  
お答え申し上げます。
11年度ですと貸出金で申し上げますと約5兆円の平均残高があるという規模でございます。

●小泉俊明
資金運用の総額は幾らですか。

○高木政府参考人 
資金運用勘定全体で19兆でございます。

●小泉俊明 
その中の、国内の貸し出しは幾らになっていますか。

○高木政府参考人  
お答え申し上げます。貸出金は約5兆8千でございます。

●小泉俊明 
資金運用額で年間約20兆円、国内貸し出しが5兆8千億ですね。これほどの貸出額があると、
こんな手にひっかかる金融機関であれば5兆8千億のうち、ほかの地方自治体や企業と取引しますから、
似たようなケースが十分予想されませんか。

○村井副大臣  
私どもとしては金融機関を監督する立場からいろいろな形でチェックをしておるわけでございまして、
ただいまの御質問に対しては、法令に違反するような事実がありましたらきちんと処断をしてまいる、
そういうことをしっかりやってまいるという方針を申し上げるにとどめさせていただきます。

●小泉俊明 
いずれにしろ簡単に100億円の大金を信金金庫もとは一般預金者のお金を集めて運用してるのですから、
本当に預金者はたまったものじゃないんですよね。安心して預金することもできないわけですよ。

それで、他の金融機関や自治体、皆さん余り御存じじゃないようですので申し上げますけれども、
地方自治体と地方公営企業は、実は財投の金利が高いのにすごく苦しんでいるんです。
ですから、借りかえをしたいという気持ちはみんな持っているんですね。
金融機関も、そんないい話があるなら2%ぐらいで貸してくれるんですよ。
大体今回これ、4.6%を2%ですから、10年で53億円も浮くという話なんですね。
ただ、大蔵省はこれを認めていないんですよ。

ただ、ここにいる副大臣の方とか、政府委員の方ですら、繰り上げ償還が原則できないとか、
例外は厳格にというんですから、必ず要件あるんですよ。

ですから、そういったものを全く存じ上げないということは、一般の金融機関の方もみんな、
地方自治体の方も知りませんね、皆さんが知らないんじゃ。

それであれば、同じようなことはたくさん起こり得るべきですから銀行法上の趣旨に基づいて、
やはり、今回これだけの事件が起きているんですから、立入検査なり事実関係を明確にして
全国に起債の借りかえというのは認められるか認められないのか、指導してあげなければ、
預金者の保護という第一条の目的は達成できないんじゃないですか。

○村井副大臣  
いわゆる財投をベースにした金の借りかえの問題につきましては、これは恐縮でございますが、
私どもの所管ではございませんので、さような意味で、
責任を持った御答弁は、これは控えさせていただきたいと存じます。

それから、個別の金融機関の行動につきましてはこういう事態につきまして、
新聞報道などではある程度承知しておりますが、
風評の問題とかいろいろな問題がございますので調べるとかいうことも含めて
コメントを差し控えさせていただきたい、そういうことでよろしくお願いいたします。

●小泉俊明 
先ほど、御答弁の中で、銀行法上の法令に違反する行為があれば、これはやると。
たまたま担当の金融機関が、元大蔵省銀行局長を御経験された方が中にいる場合でも、
一応法令に違反していれば公平にやっていただけるという御答弁だけいただいて、
質問を終わらせていただきたいと思います。

○村井副大臣  
当然のことでございます。

●小泉俊明
どうもありがとうございます。

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プロフィール


小泉としあき
前衆議院議員
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