★『エッ??景気は着実に回復??』 『小泉改革は落第だ!!』 

★『エッ??景気は着実に回復??』 『小泉改革は落第だ!!』 
《予算委員会質問・平成17年2月17日議事録》

○渡海委員長代理  

次に、小泉俊明君。

●小泉俊明 
民主党の小泉俊明でございます。

小泉政権も、ことしの4月26日で丸4年を迎えるわけであります。
小泉改革を結果から見た場合に、日本の景気や経済は本当によくなってきたのでしょうか。
また、日本はよい方向に本当に向かっているのでしょうか。

小泉総理は、日本経済は着実に回復をしてきている、
また、現在は景気上昇過程の踊り場にあるということを言っています。

しかし、ほとんどの国民は景気回復の実感は全くなくよくなるどころか
悪くなっているというのが正直な実感であると思います。

戦いに負けていながら大勝利、撤退でありながら転戦と言っていた
まるで大本営発表のようなというのがどうも正直な実感だと思います。

そこで、今まで、小泉改革をミクロで見た場合、倒産、自殺、また生活保護の増大等については
何回も委員会でやらせていただきましたので、今回は、この小泉内閣約四年間の結果を
マクロ経済の視点から見て検証をさせていただきたいと思うわけであります。

まず、お手元の【資料1】をごらんいただきたいと思います。
これは、日経平均株価の推移のグラフであります。

御案内のように小泉総理が就任した2001年4月26日、株価は1万3973円あったわけでありますが
2年後の2003年の4月28日、7,607円になりました。

この下落率は何と46%であります。
田中内閣総理大臣以来30年間17人の総理大臣が出たわけでありますが、
この46%という下落率は断トツのワーストワンであります。

そして、きのう現在の株価が1万1,600円であります。
これは、就任当時と比べまして17%低い価格になっているわけでありますが、
これも実は、ここ30年間の17人の総理大臣の中ではワースト第4位の記録であります。

小泉改革のまず4年間を見てみまして、《株価については》落第なのではないかと思いますが、
竹中大臣、いかがでしょうか。

○竹中国務大臣 
経済の状況につきましては、引き続き、これは格差の拡大も含めてでありますけれども、
大変厳しい状況であるという認識は当然私も持っております。

そうした中で、少しでもよい方向に向かいつつあるというのが今の状況だと思ってまして、
委員御承知のように、先般のOECDの対日審査では日本経済、ようやく過去10年で
最もよい状況になった、そういう診断がOECDからも下されたところでございます。

お尋ねの株価でございますが株価、最初の2年で御指摘のように45%程度下がりました。

その後ようやく底を打って、その後の上昇率は五十数%ということで、
その後の上昇率もようやく高くなって、しかし世界全体の株価の動向もございますから、
アメリカもヨーロッパも、この四年間を通じて見ますと、株価は下がっているといます。

そうした中で、将来の期待成長率を高めて、さらに株価も安定的に高まっていくような、
そういう結果をぜひつくりたいと思っているところでございます。

これは、引き続き厳しい状況であるということは認識をしておりますが、
しっかりと経済運営をしていきたいと思っております。

●小泉俊明 
これは、アメリカでは、大統領の評価は平均株価の騰落で決まると言われています。
もしアメリカであれば、小泉さんは200%再選はなかったと私は思います。
まず小泉さんになってから、最大国民の資産が株価だけでも約150兆円失われたと言われますし、

きのうの時点で1万1600円でも、就任の当時から約60兆円の国民の資産が失われていますので、
4年間の小泉改革の結果を見た場合に、株価については落第だということを指摘したいと思います。
 
次に、【資料の第2】をごらんいただきたいと思います。

これは、不良債権の残高の推移であります。竹中大臣や小泉総理がおっしゃるように、
不良債権は、2001年から2004年度まで右斜めの矢印で、確かに減っています。

次に、その次の【第3の資料】を見ていただきたいと思います。

しかし、この資料は、銀行ですね、
《都市銀行、地方銀行、第二地方銀行の貸出残高の推移》であります。

右斜めに矢印、一直線に落ち込んでおりますが、月ごとの民間の銀行の貸出残だけ見ますと
何と85カ月連続で前年同月を下回るという極めて異常な事態が起きているわけであります。

景気というものは大臣、金回りでありますから銀行の貸出残高がここまで85カ月間前年同月で
下落を続けているということは、小泉改革というのはやはり、この4年間やってきたけれども
《景気の回復に関して》も貢献してはいないと私は思うんですが、大臣いかがでしょうか。

○竹中国務大臣 
銀行の貸出残高の減少が続いているという御指摘は、これはもうそのとおりでございます。

銀行、貸出先を開拓して、ふえるような状況を今後ともつくっていきたいと思っておりますが
委員が御指摘のこの表そのものでございますけれども、これは、ちょっと細かいですけれども、
1995年からの表でございますかね。

この前の10年間ぐらいもぜひお示しいただきたいというふうに思うわけです。
この前の10年間に何が起こったかといいますと、銀行の貸出残高は、GDP比で見て、
GDP比の70%ぐらいだったものから100%を超えるところまでどんどん高まっていった。

残念だけれども、バブルの時期を通して、銀行は貸し過ぎた。
企業は借り過ぎた。
その調整はやはりどうしても避けて通れない。
その調整が長期に緩やかにまだ続いているという状況であろうかと思っております。

しかし一方で、アンケート調査等々を見ますと、企業から見た銀行の貸し出し態度等々、
資金の需給等々は改善をしている、これも事実ですので、そういった効果がしっかりと
浸透していくように引き続き、マクロ経済の運営と、これは今私の担当じゃございませんが、
銀行に対する適切な行政というのを行っていく必要があると思っております。

●小泉俊明 
竹中大臣は当初、不良債権が減ってくれば銀行が健全化をし企業に資金が回るということを、
私は財務金融委員会でもさんざん15回ぐらいやらせていただいていますので、
そういう答弁をしていたと思うんですが、しかし現実には4年たったわけでありますが、
不良債権は減ったけれども一向に実体経済には資金が回らない現状なんですね。

金回りというのは、やはり資金の量も必要なんですね。

私は、この銀行の貸出残高の推移を見ると結果から見て、小泉改革というのはやはり景気回復に
関しては貢献をしていなかったということを明確に指摘しておきたいと思います。

次に、【資料の4】であります。

これは、《国債の発行残高》の数字であります。

この真ん中に2001年3月末現在、このときに280兆円ですね。
これは、小泉さんが就任する前の年の、直前の数字なんですね。一番下を見てください。
2004年9月末現在でありますが、何と586兆円。

この小泉内閣の3年6カ月間で206兆円も国債の発行が増大をしているわけであります。
当初は財政の健全化ということを掲げ、国債発行30兆円枠というのを言ってきたわけですね。

しかし、《財政再建の観点》から見ても、この3年6カ月間で206兆円増加という観点から見れば、
私はこの小泉改革というのは全く貢献をしていないと思うんですがこの点、いかがでしょうか。

○谷垣国務大臣 
国債の方は私の担当でございますから。
確かに、おっしゃるように2001年末380兆、それは586兆になっているのは事実でございます。

それは、毎年毎年相当な借金を重ねておりますので、こういうふうになってきているわけですが、
ただ、そういう毎年毎年国債を出す状況は相当改善してきたと思っております。

国、地方の基礎的財政収支を見ますと、平成14年度は5.5%の赤字でしたけれども、
平成十七年度には四・〇%になっている。それから、これは私よく申し上げているんですが、

この平成17年度予算では、一般歳出は3年ぶりに圧縮した、それから国債発行高も4年ぶりに
前年度より減少することができまして、国の基礎的財政収支も平成16年度に比べまして17年度は
3兆円余り圧縮することができ、今16兆ぐらいの赤字になっておりますので、
私はこういう面ではかなり進んできたと思っております。

ただ、やはり過去の蓄積、累積というものを払拭するまでに至っていないのは、
委員のお示しの数字のとおりでございます。

●小泉俊明 
このデータの上から2つ目が、1998年3月末現在、273兆円になっていますね。

1998年から小泉総理が就任するまでの2001年3月末の3年間というのは、
国債発行が3年間で106兆円なんですよ。

過去にさかのぼって在任期間中の国債の発行の増加テンポを見た場合に、
実はこれほど国債を発行している総理というのはいないと思いますね。

この国債の発行の増加テンポを見た場合に、財政再建という観点から見ても、
小泉内閣の約4年全く貢献をしていなかっということも明確に指摘しておきたいと思います。

586兆になっておりますのは事実でございます。 
次に、【資料の5】をごらんいただきたいと思います。

これは、今、谷垣大臣がおっしゃいました《税収の推移》であります。

2001年、小泉さんが就任する前の予算でありますが、
47兆9481億円、これが2002年に43兆8332億円に減りました。
そして2003年には、税収が41兆7860億円なんですね。

この数字自体は、決算も入ってますが、当初予算でいきますと2004年は41兆7470億円と、
小泉総理になってから、税収が下降をたどっているんですね。

この点につきまして、私は、税収というのは国の財政の根本でありますので、
これが減ってきているということは、この四年間の小泉内閣を見てみて、やはり税収の面から
見ても政策効果がほとんどなかったと思うんですが、この点については、谷垣大臣。

   〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

○谷垣国務大臣 
明確に指摘しておくと繰り返し、リフレインをおっしゃっておりますが小泉内閣発足後、
これは発足が平成13年の4月ですが、それ以降の一般会計税収の推移は、13年度決算では、
御指摘になったと思いますが47.9兆、15年度では43.3兆で確かに4.7兆減少しているわけですね。

このうち半分ぐらいは、定額郵貯の集中満期によりまして利子税収が一時的にはげ落ちた。
これが約二・四兆はげ落ちたということになっております。そういう特殊要因が一つある。

それから15年度改正で国税分、これは要するに多年度レベニュー・ニュートラルということで
先行減税をITや何かでやりまして、1.5兆実施をしたということがありますので、
こういった点も考えますと、減収が失敗だったという御指摘は当たらないと思います。

他方、15年度以降の税収動向を申しますと、15年度決算は43.3兆ですね。

それから17年度が44兆ということで、所得譲与税控除前では45.1兆と増加してきておりますので、
私は、いろいろな努力の成果が税収面でも、もっともっと早く伸びてほしいですが、
徐々にあらわれてきたと言えるんじゃないかと考えております。

●小泉俊明 
やはり、大臣、私は、数字というものはきちっと現実を見るべきだと思います。
やはり小泉総理になってから税収は減少を続けているんです。

今までどんな内閣だって大臣が言ったような事情はあるんですよ。

それでもこれだけ税収が減少を続けているというのは、私はやはり、
小泉改革が税収の面から見ると余り効果がなかったと言わざるを得ないと思います。

特に、谷垣大臣、去年もことしも、ことしふえたといっても、実は、これを見ていただくと、
せいぜい18年前の1986年と同じ程度の税収しかないんですよ。

これだけの経済規模になっていてこれだけしか税収がないというのは、小泉改革の政策が
税収の面からは効果がなかったともう一度明確に指摘をしておきたいと思うわけであります。

次に、【資料の6】をごらんいただきたいと思います。

これは《GDPの推移》です。下の暦年で見ていただきたいんですが、
GDPの暦年の2001年、名目はマイナス1.1であります。

また2002年がマイナス1.6ですね。
2003年がマイナス0.1なんですね、名目で見ると。

実質が左側に出ていますが0.2、マイナス0.3、1.3。
やはり、小泉改革のこの約4年間の政策を見ていまして、GDPの、経済成長率の面から見ても、
ほとんど私は効果が出ていないと思うんですが、竹中大臣、いかがでございましょうか。

○竹中国務大臣 
GDP、特に名目GDPに着目した御指摘をいただきましたけれども、
当然ですが我々としては、実質的な、実体を高めるという意味での実質GDPを高め、
同時に厳しい状況にあったデフレをしっかりと克服していく、両方を実現することによって、
名目GDPが上昇していくということを目指していくわけでございます。

ここには2003年まででございますが、ちょうど昨日2004年の数字がQEで出まして、
2004年の名目GDPは1.4%のプラスということに相なりました。実質GDPを高めて、
そして同時にデフレを克服していく、これはなかなか委員御指摘のように
厳しい作業ですけれども、そういう方向にはようやく向かいつつあると思っておりますので、
さらにこの数字が結果的に高まるようにしていかなければいけないと思っております。

●小泉俊明 
竹中大臣、OECDの30カ国、先進30カ国を見ても、
これほど4年も5年も経済成長が低いというのは日本だけだと思うんですね。

私は、この4年間の小泉内閣の経済政策、
やはりGDPの点から見ても政策効果がなかったと言わざるを得ないと思います。

次に、資料の7をごらんいただきたいと思います。

OECDが世界の財政を比較するために《国、地方の債務残高のGDP比》を比較したものです。
グラフを見ていただくと、もう日本だけ35度ぐらいでGDP比がどんどん悪化しているんですね。
これは私はやはり厳粛に受けとめるべきだと思います、このデータを。
これが現実なんですね。

結論、小泉改革というのは先ほど株価を見てきました、金回りという点から景気を見てきました、
税収を見てきました、財政の健全化も見てきました、債務残高のGDP比これは結果から見ると、
この4年間というのは努力をされたのはわかるんですが、ほとんど効果がなくある意味でいうと、
失敗だったということを明確にもう一度財務大臣も含めて指摘しておきたいと思います。

そこで、これは過去の4年間だったんです。 
それでは、これからどうなるか。

この前、「構造改革と経済財政の中期展望」2004年度版というのが出ましたね。
この中に参考資料として「基本(改革進展)ケース」というのが書いてあります。
これは当然、この中期展望の議論の前提でありますので、非常に大切なデータなんですね。

【資料の8】をごらんいただきたいと思います。

ところが、この資料の8を見ますと、2005年から2009年までの5年間、
まず一番上の実質成長率を見ていただきたいんですが2005年度1.6、2006年度1.5、
2007年度1.5、2008年度1.6、2009年度1.5と非常に低成長なんですよ。

ところが、これほどの低成長であるにもかかわらず、ちょっと下に行きますが、
完全失業率はどういうわけか4.6から5年後には3.6に減っているんですね。

そして、これほどの低成長であるにもかかわらず、消費者物価が、来年2005年度が0.1、
何と5年後が2.3まで急激にはね上がっているわけですよ。次のページに税収も出ていますが、
谷垣大臣、来年四十四兆だったのが5年後には53兆6,000億という、
税収まで何か急激にふえるデータが出ているわけでありますよ。

しかしこの程度の低成長で、失業率が急激に下がって、物価が上がり出して、
税収がふえるというのは、私はおかしいんじゃないかと思うんですが、竹中大臣、
この点についてはいかがでしょうか。

○竹中国務大臣 
小泉委員からは、効果が上がっていないという厳しい御指摘をいただいておりますが、
この御指摘は御指摘としてしっかりと受けとめますが同時に、全体としてはよい方向に
向かっているという点についても、ぜひ、これは委員御専門家でいらっしゃいますけれども、
御認識をいただきたいと思います。

その上で、資料8の数字でございます。
まず、実質成長率が低い。

これは、高いか低いかというのはいろいろな評価があると思いますが、
残念ながら、日本の潜在成長力というのは、今のところ中期的にはこのぐらいで
あるというふうに認めざるを得ないのだと思います。

これを規制改革等、民営化等々、改革を通してさらに高めていくということは、
構造改革の重要な使命だと思います。

その上で、この程度の成長率で失業率が下がってくるのはなぜなのかということでございますが、
これはモデル計算ですからいろいろな要素が複雑には絡まりますが、
基本的な要因は、この間、人口が減って労働市場が小さくなってくるからです。

生産年齢人口は毎年30万程度小さくなっているわけですから、労働者の数が少なくなってくる。
ある程度の成長のもとでは失業率が下がっていくということは、これは可能なわけでございます。

もう一つ価格でありますけれども、価格については日銀は一生懸命ベースマネーをふやしている、
それがマネーサプライの増加になかなか結びつかない。

しかし、金融市場の改革等々で貨幣乗数が次第に高まって、それでマネーサプライもふえていく、
そういうような状況下でデフレが緩やかに克服されるというシナリオを我々は描いています。

結果的に名目GDPがそのようになる中で、税収についても計測を我々は行っているわけで
ございますので、今のシナリオをぜひ実現していきたいというふうに思っております。

●小泉俊明 
実は、参考資料というのは政策の基礎ですから、物すごく大切なんですね。
ただし、この参考資料の試算というのは、まず為替が一定なんですね。

為替レートの変動の影響がまず入っていないことと、もう一点日本だけのモデルで実施して、
日本の経済発展が外国に好影響や悪い影響を与えてそれが日本経済に戻ってくるという、
いわゆるブーメラン効果というのも入っていないんですね。

今、世界の予測モデルでこういうモデルを使っているのは日本だけなんですよね。

やはり、私は、この参考資料の試算というのは国際的に通用するモデルを使って
やっていただきたいと竹中大臣に言っておきたいと思います。

次に【資料の12】飛びますが、これは実は改革をしないとこうなるよという参考資料なんです。

「「非改革・停滞ケース」の計数表」であります。

ここに驚くべき数字が出ています。
名目金利を見てください。

何と、2005年度1.6なのが、もし小泉改革をしていかなかった場合、
2009年度には8.8%に名目金利がなりますというデータが載っているんですね。

こんな急上昇は、どうも聞きましたら1990年代のイタリアを参考にしているそうでありますが、
余りにも非常識な数字だと私は思うんですが、竹中大臣、この点についてはいかがでしょうか。

○竹中国務大臣 
参考として我々が試算したものでございますから、数字の評価も含めて、
ぜひそこはもちろん御議論をいただきたいところでございます。

ただ、この中のシナリオで御理解をいただきたいのは、恐らく委員の御指摘は、これは中央銀行、
日本銀行という存在があるんだから、そこでマネーをコントロールすることによって物価の上昇、
金利をある程度コントロールすることができるのではないのか。

そこはもうそのとおりでございます。
もちろんそういう役割を、私たち、日本銀行に期待するわけでもございます。

しかし、国債の残高が高まって、国債に対するリスクというのを投資家が高く見積もる状況、
ある臨界点を超えると、そういう危険というのはあるわけですけれども、イタリアでまさに
そういうことが起こったわけでございますが、そういう場合があり得るんだと。

そうなると、これは幾ら日銀が、中央銀行が頑張っても、物価を簡単に操作することはできない。

そういうことを経験した国というのは幾つかあるわけですので、そういうシナリオを想定して、
そうならないように運営するという意味でここに提起させていただいておりますけれども、
そういう場合の想定であるという御理解をいただきたいと思います。

●小泉俊明 
日銀が今ゼロ金利政策をとっているわけですね。
なおかつ、日本の金融市場の規模というのは、アメリカに次ぐ規模であります。

金利がこれほど8.8まで上がるという異常なことというのは、余りにも架空の数字過ぎて、
ためにする、小泉改革をよく見せて、しないとこう悪くなりますよといった、
余りにもためにするものだと思いますね。

やはり、こういったデータというものは内外からの検証にもたえるように、ぜひとも国際的に
通用する世界モデル、日本でも日本人が開発して国際機関で使われてるものがあるわけですから、
世界的に通用するモデルで常識的な数字を出していただきたいと思います。

そして、それではこれからどういう対策をしていくべきなのかということが
一番大切なわけでありますが、前提として、竹中大臣にお聞きしたいと思います。

先ほどの【7の資料】に戻っていただきたいんですが、
これは、OECDの国、地方の債務残高のGDP比です。

日本は借金が多い多いと言われておりますが、このOECDのデータを見てもわかりますように、
一番大切なのは、債務残高のGDP比こそ、これから政策運営で注意していかなければならない
最も重要なポイントであると思うんですが、竹中大臣、この点はいかがですか。

○竹中国務大臣 
GDPに対する公債の残高をある程度以上にならないように、
これがどこまでもどこまでも上昇していくような状況を絶対に食いとめなければいけない。

その意味で、委員がおっしゃっているような公債の残高のGDP比をしっかりと見るというのは、
これは全く必要なことであると思っています。

基礎的財政収支、プライマリーバランスを回復するということを目標にしておりますけれども、
プライマリーバランスを回復すれば、安定的なマクロ経済状況のもとでは公債残高のGDP比を
一定以下にすることができる、そういういわゆるドーマーのルールというのがあるわけですが、
それに基づいて、基礎的財政収支を何とか均衡させようというふうにしているわけです。

その意味ではおっしゃったように、公債残高のGDP比に着目ししっかりと政策を行っている、
私たちの姿勢はそういうことでございます。

むしろ最近の議論としては、本当にそれだけで十分なのか、それを最低限実現しなければ
いけないけれども、さらに加えて、国債残高そのものを見なきゃいけないのではないか、
専門家の間ではそういう議論が広がっているというふうに承知をしております。

●小泉俊明 
これだけの経済規模を持ちながら、非常に海外の格付が厳しくなっている、ソブリンの、国債の。
この債務残高のGDP比、これが余りにも突出しているのが大きな理由になっておりますので、
大臣、やはりこれを当面政策の眼目に置いていかなければならないと私は思います。

そこで、債務のGDP比が極めて重要だという観点から見た場合に、日本とアメリカの
経済政策の違いについて大臣にお伺いしたいんですが、アメリカのブッシュ大統領は、
2004年度、約30兆円程度の減税と五兆円の軍事費をふやしたんですね。

それなのに、債務のGDP比というのは、OECDのこの発表データによりますと、
アメリカは62.8%から64.1%にふえた、たった1.3%ふえただけなんですね。

では、一方、日本はどうかといいますと、財政規模をふやさなかったんですよね。

それにもかかわらず、このOECDのデータによると、債務のGDP比は157.3%から163.4%と、
何と6.1%も増加しちゃったんですね。

一方アメリカは、減税とか歳出を増加して積極財政をとったのにGDP比は1.3%しかふえずに、
日本は、財政規模をふやさなかったのに逆に債務のGDP比が6.1%もふえてしまう。

これは、大臣、どうしてだと思われますでしょうか。

○竹中国務大臣 
それは、ベースとしての財政赤字がどのぐらい大きいかそれに依存しているのだと思います。

財政赤字の額が同じであっても、日本のように、GDP比で、プライマリーバランスで見て4%、
5%、実際には6%とか、それだけの国債を毎年出していくと、その分ストックとしては
上に積んでいくわけですから、当然のことながらこういう数字になるわけでございます。

これを上げないようにしようと思ったら、いきなり国債発行額をゼロにするしかないわけで、
しかし、それは経済に余りにブレーキがかかる。そういうことはやはりできない。

したがって、我慢強く少しずつ基礎的財政収支を均衡に向かわせしめるしか方法はないわけで、
一度大きな財政赤字をつくってしまうと後の回復のためには非常に辛抱強く時間がかかるんだ
ということを、まさに日本の例は示しているんだと思います。

●小泉俊明 
竹中大臣が言っている見方も一面にあると思います。

日米の債務残高のGDP比がこれほど違った最大の理由は、アメリカは減税したんですが、
所得税が8090億ドル1.9%、法人税が1894億ドル、43.7%も税収が伸びているんですよ、大きく。

もう一つ、アメリカの名目GDPが6.6%も伸びているんですね。

要するに、GDPが伸びているために相対的に債務残高が減っているんですよ。

一方、日本を見ますと、先ほど資料でお示ししたように、不景気で税収が年々減っていますね。
なおかつ、GDPの伸びが乏しい、低いんですね。ですから、これだけの差が出ちゃうんですね。

この米国の、アメリカの政策から見てわかることは、
債務のGDP比を減らすためにはやはりGDPの伸びが大切だということだと思います。

そこで、【参考資料の14】をごらんいただきたいと思います。

これは、国土交通省の国土技術政策総合研究所というところが出しました、何かといいますと、
名目の経済成長率が伸びた場合、公債残高のGDP比にどう影響を与えるかというグラフです。

これを見ていただくと、名目成長率が1.5%の場合には減っていかないんですね。
ところが、一番下の名目成長率が3%になりますと急激に減っていきます、長期的に見ますと。

ですから、このデータからもわかりますしまたアメリカの経済政策の結果からもわかりますし、
GDPを伸ばすことが非常に大切だということがわかると思います。

しかし、【資料八】を見ていただくと先ほどの、竹中さんがお出しになられています
参考資料の改革進展ケースですよ、小泉改革をしていった場合こうなりますよという、
よくなる方のデータですが、一番下を見ていただくと、名目GDP比2005年度、来年が142.3、
2009年度でも147.7という、向こう5年間を見ても債務のGDP比が全然減っていかないんですね。

つまり、過去の4年間を見てもそうだったですし、これから向こう5年間を見ても、
小泉改革では、先ほど竹中大臣もお話ししましたように、私も指摘しましたように、
債務のGDP比というのは非常に政策が重要なんですが、小泉改革では結局なかなか減って
いかないということが、現実のデータで裏づけることができるんじゃないかということを、
私は明確に指摘しておきたいと思います。

それでは、しからばどういう政策をとるべきかということであります。
【15の資料】を見ていただきたいと思います。

これは、計量経済学の専門家の先生が、今検討されている増税政策と、逆に減税政策を行うという
二つの政策をとった場合、これから日本の経済が一体どうなっていくか
というシミュレーションをしたレポートであります。

ここに使ったモデルは、フジグローバルモデリングシステムという、
ノーベル経済学賞に三度最終選考まで残った大西昭先生が開発した、
かなり国連でも使われていまして、まさに世界モデルなんですね。

これで見ていただきたいんですけれども、この資料の15、増税シナリオはどういうものを
描いているかといいますと2005年度から定率減税を半減します、2006年度から全廃します。

また2007年度から一応消費税を10パーに上げるというシナリオにしています。

減税のシナリオはどういうものかというと2
006年度から法人税と個人所得税をそれぞれ5兆円ずつ減税をします。
トータル10兆ですよね。

消費税をそのかわり2006年から2008年にかけて毎年1%引き上げ、
それ以降8%で固定するというものなんです。

この世界モデルで検討してみた場合、次のページ、
2ページ目をめくっていただきたいんですが、これが実質GDPの伸びであります。

これを見ていただくと2015年までの10年間で実質的GDPの伸びを比較しますと、
実は減税シナリオが増税シナリオの2.5倍なんですね。

図2が名目GDPであります。これも減税シナリオの方がやはり成長性が高いんですよね。

これは、財政が厳しいときに減税すると国の借金はかえってふえると普通考えられるんですが、
実際、世界モデルで計算してみますと、どうやら逆の結果になってくる。

そして図3でありますが、これは先ほど一番重要だと言っている債務名目GDP比であります。
これは減税シナリオですと2015年のときに急激に下がってくるんですね。

この結果は、今世界的に使われていますこのフジグローバルモデリングシステムだけじゃなくて、
経済企画庁の審議官をされていた、計量経済学の専門家であります宍戸駿太郎先生のDEMIOS
という開発したものもそうですし、日本経済新聞の使っている日経NEEDSのモデルを使っても
大体同じ結論が出るわけですよ。

そして、図4を見ると、プライマリーバランスもはるかに
減税シナリオの方がやはりよくなっているんですね。

こういった結果を見て、竹中大臣、これについてはどのように思われますでしょうか。

○竹中国務大臣 
私も、かつて世界モデルをつくっていろいろ論文を書かせていただいたことがありますので、
これについてしっかりと、ぜひ、モデルがどのようなストラクチャーになっているかということは、
御提起をいただきましたので勉強をしたいと思います。

ただ、一般的に言いますと、減税をしてそれによって財政がむしろよくなるというのは、
これは2つのケースだと思います。

一つは、需要が一時的に停滞している場合。
これはあり得ることだと思います。

しかし、日本は需要が一時的に停滞しているんでしょうか。
そういう状況が10何年も続いてきたんでしょうか。
それではない。

もう一つのケースは、減税することによって潜在成長力が画期的に高まるような場合。
この場合も理屈の上ではあることだと思います。

ここでは、大西先生の姿がそのようになっているかどうかというのはぜひ検証したいと思います。

ただ小泉委員一つ、印象ですがここの2ページ目をごらんいただきたいと思いますが2ページ目で、
名目GDPの推移がありますが2010年から2011年にかけて、どっちの場合も20%、
1年で20%名目GDPが高まるというシナリオになっています。

こんな打ち出の小づちがあるんだったらぜひ使わせていただきたいと思います。
これはやはり、モデルはモデルですからしっかりと検証しなきゃいけませんが、
ちょっと無理があるのではないでしょうか。

●小泉俊明 
竹中大臣、私は、アメリカの経済政策が実は計量経済学に基づいてやられていると思います。
あれは意味もなく減税政策をレーガン政権そしてブッシュ政権がとっているわけじゃないんです。

ですから、今大臣おっしゃったように、いろいろなシミュレーションを闘わせたり、
せっかく、内閣府の経済社会研究所ですか、最近つくられたのがありますね。

あの中でもっと予算をつけてしっかりとそういった交流を進めたり、よりレベルの高いものを
竹中大臣にやっていただくように、ぜひともしっかりとした基礎データで議論を詰めないと、
ためにするデータを出すというのはもうやめにしないといけないと思いますので、
それをよろしくお願いしたいと思います。

そしてまた、増税政策をこれから谷垣大臣はされようとしていますが、
これはかなりリスクの高いものだと思いますので、やはりこのデータを勉強していただいて、
竹中大臣ともども、いろいろな政策の参考に日本でもすばらしい先生はたくさんおりますので、
ぜひともその点をよろしくお願いしたいと思います。

 

プロフィール


小泉としあき
前衆議院議員
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